人権研修講座「ネット社会と高校生の実態」
〜大学が求める力とは?〜
10月27日㈯午前10時より森川ホールにて、佛教大学教授の原 清治先生を講師としてお迎えし、人権研修講座を開催しました。
59名の方が参加されました。
まずは校長先生からのご挨拶と、歌とウクレレの演奏を披露して頂き、その素敵な歌声と音色に癒され、会場内もリラックスした雰囲気に包まれました。
では原先生の講演のスタートです。
原先生は、テンポの良い語り口で自己紹介をされ、私たちの笑いを誘い、今から始まる講座がとても楽しみな気持ちにさせてくださいました。
最初に、前のスクリーンに映されたレジュメに、大学入試に求められる学力の3要素を示されました。
(1) 基本的な知識・技能の習得(今まではこれだけでOKでした。)(2) 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(3) 答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力などこの3つを切り分けて評価するのではなく、これからは総合的に評価するので、探究力が大事である。
とのことでした。
まずは、具体的に最近の子ども達の様子から。
体調が悪いなどの理由ではないのに、マスクをしている子ども達がみられる。→体育など苦手な授業に対する自己防衛、対話学習で自分の意見が言えない子どもの心理的な抵抗などが裏側にある。
その他、我が子に置き換えると胸が痛いエピソードもお聞きしました。
子どもには親に言いたくないことや心配をかけたくないという気持ちがあります。「親」という字は、「木の上に立って見る」と言われるように、そっけない態度や、時には多少の口の悪さも「反抗期ど真ん中だな」という楽な気持ちで接してあげればよい、とお話しされました。
次に、先生の研究データに基づいた事例のお話です。
学力別にいじめの発生率やネット内容と相手の特定など、「あ、そういうことなのか」と、納得できる大変興味深いお話でした。
いじめは、進学先選びなど価値観の違いによるグループ間でも起こります。もし子どもから友達との価値観の違いによる葛藤が見られたら、親は、相手を分断せずに「そういう考えがあってもいいと思うよ」といったスタンスで話をすることが大事、だそうです。
子どもとのコミュニケーションの取り方など考え直していきたいと思いました。
まとめ
最初に示した(2)の部分には、自分の意見ばかりを主張するのではなく、相手の意見もリスペクトしているか、(3)の部分には、自分が知識を入れたものをどう論理的に組み立てていくか、などが問われ、入試は多面的な評価へ移っていることがわかりました。
子ども達が受験・進学のプレッシャーを感じながら、またネット社会の中で上手に生きていくのは簡単ではありませんが、先生の講義の中で親の何気ない日常のひと言の重み、子ども達の内面・実情がよくわかり、頭の中にいれておくと良い心掛けになることが多くありました。
先生のお話に吸い込まれるようなあっという間の2時間が過ぎ、最後にPTA佐谷副会長より挨拶とお礼の拍手で締めくくりました。
終了後のアンケートには、子どもにも原先生の講座を聞かせたい、今日の話を聞き、今まで理解できなかった我が子の気持ちが少しわかるようになった、という声が多数あがっていました。参加して頂いた皆さんと有意義な時間を持てたことに深く感謝しています。ありがとうございました。
この講座は、豊中市人権教育推進委員協議会による各校の取り組みの一つとして、開催しています。この機会に、興味を持っていただければ幸いです。